データで読解

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2021.8.26

データで読解:復興へのバトン、多様に

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

例年書き入れ時となる夏興行が終わりつつある。全体の動員ペースは、まだまだ低調だ。7月は昨年を上回っていたものの、8月に入りペースダウン。公開中の作品の動員も、前週比で大きく落ちている。こうした中、1年に1本以上映画館で映画を見る映画参加者の減少が続き、市場の縮小に歯止めがかかっていない。特に高年齢層の減少が止まっていない。

一方でポジティブな点は、ランクインした作品の顔ぶれが、邦画、洋画、実写、アニメとバラエティーに富んでいること。

まず、初登場1位の「かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦ファイナル」は、King&Princeの平野紫耀と橋本環奈が出演する邦画実写映画の続編。キャストファンとみられる10代女性の鑑賞意向が非常に高い。

2位には洋画大作シリーズ最新作の「ワイルド・スピードジェットブレイク」、3位に細田守監督邦画アニメ「竜とそばかすの姫」と続く。8位のキッズ向け「パウ・パトロール」も前作を大きく上回るスタートだ。

映画鑑賞には習慣性があり、ある作品の動員は次につながる。多様な作品の顔ぶれは多くのバトンをつなぐだろう。それは長期にわたるコロナ禍からの復興の後押しになる。(GEM Partners代表・梅津文)=毎月最終金曜掲載

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