「クルエラ」

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2021.5.27

「クルエラ」

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

1970年代のロンドン。デザイナー志望のエステラ(エマ・ストーン)は相棒と盗みを繰り返していたが、ファッション界のカリスマ、バロネス(エマ・トンプソン)と出会い、旧態依然とした業界に新風を巻き起こす。しかし、2人の関係は社会を揺るがす事件へ発展していく。

ディズニーアニメ「101匹わんちゃん」の悪役、クルエラの若き日々を描く。お約束のダルメシアンも登場。元ネタを知っている人はもちろん、知らずとも、センスにあふれた衣装やクイーンら70年代の音楽など、ファッショナブルな世界観を楽しめる。

白と黒のツートンカラーの髪で生まれ、異端視されてきたエステラ。少女時代の悲しい記憶やバロネスとの間に隠された因縁、そして復讐(ふくしゅう)劇。彼女が悪役へと変貌を遂げるにはそれなりの理由があったのだと納得。とにかくかっこいいストーンに注目だ。クレイグ・ギレスピー監督、2時間14分。東京・新宿シネマカリテ、兵庫・OSシネマズミント神戸ほか、ディズニープラス プレミアアクセスで公開。(倉)

ここに注目

ディズニーの古典語り直し、相変わらず鮮やか。悪役に感情移入してしまう悲話を与え、美術と衣装でも、もり立てる。バロネスのパーティーに乱入するクルエラの、大胆で奇抜な登場方法とファッションに舌を巻く。迫力と勢い、映画館の大画面向き。(勝)

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