無人島で15年間生き延びた女性が、ディーバ（歌姫）になる夢に再び向かう姿を描く韓国ドラマ「無人島のディーバ」がNetflixで配信中だ。主演は、ロマンス時代劇「恋慕」、昨年話題となった「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」などで人気を博しているパク・ウンビン。彼女にかかれば、無人島生活を送ってきたという突拍子もない設定のキャラクターでも説得力を持たせることができる。

歌手を夢見る少女が、無人島に流れ着くところから物語は始まる

本作は、中学3年生の時に失踪したと思われたソ・モクハが主人公。歌手を夢見ていた少女は、離島からソウルに向かう途中の船から落ち、無人島に流れ着く。15年間、過酷なサバイバル生活を強いられたモクハだったが、テレビ局で働くカン・ウハク（チャ・ハギョン）、カン・ボゴル（チェ・ジョンヒョプ）兄弟に発見される。

社会復帰を果たしたモクハは、恩人である同級生チョン・ギホ（学生時代を演じているのはムン・ウジン）の行方を捜すなか、憧れの歌手ユン・ランジュ（キム・ヒョジン）が落ちぶれていることを知り、彼女の再起を誓うことに。しかし、この行動によって、ウハクたちの過去、ランジュが抱える秘密などさまざまな問題が浮かび上がることになる。

モクハ役のパク・ウンビンは、自閉スペクトラム症でIQ164の頭脳を持つ弁護士ウ・ヨンウを演じた「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」が、Netflixで配信され韓国のみならず世界でヒット。いま最も注目を浴びる俳優の一人である彼女が次回作として選んだのが、「無人島のディーバ」なのだ。

傷つきながらも成長するヒロインをパク・ウンビンが熱演

中身は中学生のまま年齢を重ね、15年ぶりに戻った現代では社会や芸能界の理不尽さを目の当たりにして、傷つきながらも成長するモクハをパク・ウンビンが体当たりの熱演。歌唱シーンにも挑戦しており、多くの人の心を動かす歌声の持ち主、という役柄にふさわしい歌いっぷりを披露。役のための努力は惜しまず、歌の練習を重ねたというパク・ウンビンの努力には脱帽するばかりだ。

そのパク・ウンビンが、第1話ではわずか数分しか登場しない。これは韓国ドラマあるあるなのだが、第1話（または最初の数話）が、主人公の子ども時代だけで構成されることが多い。話数と尺があるからこそ、登場人物たちの背景が深掘りされ、より物語に没入することができる。また、主演俳優がなかなか登場せずじらすことで、ようやく登場した時の「いよいよ！」といった効果も生まれる。

本作も第1話で、モクハ（学生時代を演じているのはイ・レ）とギホの学生時代が丁寧に描かれている。お互いに良い印象を持っていなかった2人が、徐々に距離を縮める……と甘酸っぱい青春が繰り広げられるかと思いきや、夏の教室で2人だけが長袖だったというモノローグにより、それぞれが壮絶な環境に置かれていることが明かされる。

「心配事もない」「悩みもない」と思わせるほど学校では元気いっぱいのモクハが、実はつらい日々を送っていたというギャップは衝撃的。決死の思いで島を出ようとする2人、そして、モクハがまさかの無人島生活……と怒濤（どとう）の展開が1話に詰め込まれている。

日本のドラマ出演も決定したチェ・ジョンヒョプにも注目

本作の脚本を手がけたパク・ヘリョンは、「スタートアップ：夢の扉」でも、子ども時代を中心に展開する第1話が涙を誘うと話題となった。さらに、主人公に好意を寄せるハン・ジピョン（ナム・ダルム、キム・ソンホ）は視聴者の人の心をわしづかみに。「無人島のディーバ」でも、いちずで芯のあるギホの若き日を演じたムン・ウジン（「サイコだけど大丈夫」）に魅了される人が続出している。

ほかにも注目のキャストがいる。モクハのことをなにかと世話をするボゴル役のチェ・ジョンヒョプだ。これまで「わかっていても」で主人公に恋する役、「時速493キロの恋」で主演、「無人島のディーバ」でパク・ウンビンと共演と着実に俳優としてキャリアを積んできた。そんな彼が、2024年1月期の火曜ドラマ「Eye Love You」（TBS系）では、日本のドラマに初挑戦。韓国人俳優として、民放GP帯連続ドラマでヒロインの相手役を務めるのは史上初のことだという。

186cmの高身長と愛らしい笑顔が魅力のチェ・ジョンヒョプが「Eye Love You」で演じるのは、韓国人留学生ユン・テオ。相手の心の声が聞こえてしまう能力を持つヒロイン・侑里（二階堂ふみ）と出会う、超ピュアな青年役ということで、〝大型犬系俳優〟としての本領発揮を期待したい。

Netflixシリーズ「無人島のディーバ」独占配信中。