「GEM Partners」代表の梅津文さんが、独自のデータを基に興行を読み解きます

「GEM Partners」代表の梅津文さんが、独自のデータを基に興行を読み解きます

2021.6.24

データで読解:劇場で魅力体感 連鎖を

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)。

2021年も上半期が終わりつつある。映画興行は昨年来の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒットで盛り返しかけたが、コロナ禍は続き、上昇には転じられなかった。興行収入は19年以前と比較して、おおむね6割のペースで推移している。

鑑賞者の生活習慣や行動も変化した。1年に1本以上映画館で作品を見る映画参加者人口が、5月時点で20年年初から30%減。特に50代以上が減っている。参加者人口ほどではないが、年間平均鑑賞本数も減少傾向だ。動画配信市場が伸びる中、各国の映画会社が製作、公開戦略を変えている。

その中で映画興行市場を再興するには、以前とは異なる取り組みが必要だ。同じ映画でも見る場所が違えば別の体験になる。映画館の魅力を作品とともに訴求し、実感してもらうことが重要だ。そしてその取り組みは、多くの作品で継続的に、年単位で行われるべきだ。
例年なら7月に入ると、夏興行のかき入れ時だ。ワクチン接種が進む欧米では映画館の再開や平常化が進み、秋以降は日本でも大作が目白押しだ。前週末はハリウッド映画「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」が6位に入った。「映画鑑賞価値」が体感されヒットが連鎖すれば、活況は戻る。(GEM Partners代表・梅津文)