12月23日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国の映画館にて公開

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2022.12.20

まさに人生のサウンドトラック!「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」

誰になんと言われようと、好きなものは好き。作品、俳優、監督、スタッフ……。ファン、オタクを自認する執筆陣が、映画にまつわる「わたしの推し」と「ワタシのこと」を、熱量高くつづります。

宮脇祐介

宮脇祐介

ミュージシャンの伝記映画はほぼ同じフォーマットでできている。
 
不幸な幼少時代。
両親の不仲。
恋人やセクシュアリティーの問題。
スター街道をまっしぐらに上り詰めるや、レコード会社、プロモーター、マネジャーの搾取。
おまけに身内が大金を使い込み、追い打ちで愛した人に足を引っ張られ離別する。
酒やドラッグに溺れる。
そして何よりうつり気なファンがとどめを刺す。
そのほとんどがこのフォーマットでできあがっている。
 
それが分かっていても人々はなぜこんなにもミュージシャンの伝記映画を愛し、劇場に足を運ぶのだろうか。
 
それはそんなフォーマットさえもフロントアクトに過ぎないと思わせる「音楽」があるからだ。
 
前置きが長くなった。
この「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」も彼女が世に送り出したビッグ・チューンが全てを凌駕(りょうが)し、圧倒的な感動の波を作り上げている。


「I Will Always Love You」
「Greatest Love Of All」
「I Wanna Dance With Somebody」
「Saving All My Love For You」
「So Emotional」
「How Will I Know」
「I’m Your Baby Tonight」
「Where Do Broken Hearts Go」 ・・・・・・

名曲のすべてをリアルタイムで聞いた僕にとってホイットニーはまさに人生のサウンドトラックだと確信させた。

 
アメリカ人でもないのにスーパーボウルで独唱した「星条旗」の歌声に涙した。
 
音楽に包み込まれたと感じたのだ。

 
そんな絶頂から彼女の下り坂が始まるのだが。
 
その苦しい展開の終盤にさらに僕をハッとさせたのが「アリシア・キーズ」のアナウンス。
 
確かにホイットニーの死が迫る頃、僕のCDライブラリーの数はアリシアがホイットニーを超えていた。
 
僕もうつり気なファンの一人だったのだ・・・・・・。
 
誰がホイットニーを殺したのか?
 
もう一つ付け足すと音楽伝記映画のフォーマットには二つの選択肢がある。
それは長く生きたか、短く終わったかである。
悲しいかな、ご存じのようにホイットニーは後者である。
そんな彼女の人生。
 
ぜひとも今週末劇場にてご覧ください。
 
追伸:1990年1月20日福岡国際センター公演で僕はホイットニーのコンサート会場でアルバイトをした。それも楽屋付き。豪華なケータリングが完備していたのに、彼女がチーズバーガーを食べたいと、僕がマックまで買い出しに行ったことを思い出した。

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY

1985年、デビュー・アルバム「Whitney Houston」が空前の大ヒットを記録し、さらにシングル「Saving All My Love For You」以降、7曲連続で全米チャート1位を獲得。その唯一無二の歌声は〝THE VOICE〟と称され、CDの累計セールス2億枚以上、6部門のグラミー賞受賞を誇る伝説の歌姫ホイットニー・ヒューストン。

当時アリスタ・レコードの社長だったプロデューサー、クライヴ・デイヴィスが、母親のステージで歌うホイットニーの圧倒的才能に魅せられスカウトする伝説的シーン。彼女はいかにしてスターダムを駆け上がり、当時を熱狂させた<グレイテストソング>はいかにして生まれたのか。ジャンルも人種も超え、〝歌いたい曲を自分らしく歌う〟ことに命を燃やした先に、彼女は何を見たのか――。

公開:2022年12月23日
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

ライター
宮脇祐介

宮脇祐介

みやわき・ゆうすけ 福岡県出身、ひとシネマ総合プロデューサー。映画「手紙」「毎日かあさん」(実写/アニメ)「横道世之介」など毎日新聞連載作品を映像化。「日本沈没」「チア★ダン」「関ケ原」「糸」など多くの映画製作委員会に参加。朗読劇「島守の塔」企画・演出。追悼特別展「高倉健」を企画・運営し全国10カ所で巡回。趣味は東京にある福岡のお店を食べ歩くこと。