「金曜ロードショーとジブリ展」開会セレモニーで登壇した鈴木敏夫プロデューサー=勝田友巳撮影

「金曜ロードショーとジブリ展」開会セレモニーで登壇した鈴木敏夫プロデューサー=勝田友巳撮影

2023.6.27

「君たちはどう生きるか」 「今後も宣伝しない」に宮崎監督は「心配になってきた……」

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ひとしねま

ひとシネマ編集部

スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが6月28日、「金曜ロードショーとジブリ展」開会セレモニーに登壇。7月14日に公開を控える宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」について、「今後も宣伝はしない。情報を出さないことがエンタメになる」と断言した。 

「君たちはどう生きるか」で明らかになっているのはこのポスターだけ=©︎2023-Studio-Ghibli

情報ないことがエンタメ

「君たちはどう生きるか」は宮崎監督の10年ぶりの新作だが、タイトルとイメージ映像以外、物語の内容や声優などの情報を全く出さず、宣伝も一切行っていない。鈴木氏はこの手法について「これまでの作品では情報を出し過ぎ、かえって興味をそいでいたのではないかと思った。宣伝を一切しなかったらどうなるか、情報のないこと自体がエンターテインメントになると考えた。うまくいくか分からないが、信じている」と説明。宮崎監督の反応を聞かれ「『宣伝なくて大丈夫かな。心配になってきた』と言っていた」と明かした。

手描きアニメ作り続ける

鈴木氏は2023年4月、星野康二前社長の退任に伴い、15年ぶりにスタジオジブリ社長に復帰。この人事について「退任は前社長からの要望で、後任について考えていなかった。社員からやってくれと言われ、短い期間ならしかたないと引き受けた。なるべく早く新しい人にバトンタッチしたい」と語った。
 
また今後のスタジオジブリの活動については「ジブリは映画を作る会社。ジブリパークが予想以上に脚光を浴び、映画会社をやめてパーク会社にという可能性もあるが、映画を作り続ける。次の企画も進めている。ジブリの基本である手描きのアニメーションを作ることにこだわっていく」と話していた。


「金曜ロードショーとジブリ展」の展示風景©Studio Ghibli.

ジブリと日テレ 友情がスタート

同展は、1985年に始まった日本テレビの「金曜ロードショー」とスタジオジブリの歩みを振り返っている。日本テレビは86年に「風の谷のナウシカ」を初めて放送して以来、ジブリアニメを繰り返し放送してきた。「魔女の宅急便」以降の製作にも参加している。
 
同局とスタジオジブリの関係について鈴木氏は、スタジオジブリ設立に関わった徳間康快・徳間書店元会長が読売新聞記者時代に、東京大の学生だった氏家斉一郎・元日本テレビ会長と意気投合して交際が始まったことに触れ「2人の友情がスタートだった」と振り返った。
 
同展は6月29日から9月24日まで、東京・天王洲の寺田倉庫で開かれる。

ライター
ひとしねま

ひとシネマ編集部

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