イラスト=眞野えみ里

イラスト=眞野えみ里

2023.3.04

「ドラえもん のび太の日本誕生」ドラえもんの道具「畑のレストラン」をもっと健康的に食べる方法

3度の飯より映画が好きという人も、飯がうまければさらに映画が好きになる。 撮影現場、スクリーンの中、映画館のコンフェクショナリーなどなど、映画と食のベストマリッジを追求したコラムです。

石松佑梨

石松佑梨

春休み映画といえば、なんといってもドラえもんです。1980年から毎年3月に上映され続けています。わたしも子どもの頃は、弟と2人で映画館まで見に行きました。映画を見終えた後は、まるで自分たちまで一緒に冒険したかのような達成感に満たされたものです。

「のび太の日本誕生」のひみつ道具「畑のレストラン」

ドラえもんの映画の中でもわたしが一番好きな「のび太の日本誕生(1989年」は、7万年前の日本を舞台に、いつものメンバーが繰り広げる大冒険のお話です。話の中で「畑のレストラン」というドラえもんのひみつ道具が登場します。この道具は缶詰に入っている料理の種です。種をまくと、聖護院ダイコンのような丸型の大きなダイコンが育ちます。そのダイコンを割ると、中にはできたてホカホカの料理が入っているのです。メニューもバラエティーに富み、カツ丼、スパゲティ、カレーライス、ステーキ、ラーメンから、どら焼きまでそろっています。

ただし、ダイコンはあくまで料理の器で、食べない設定です・・・・・・え、ダイコンは捨てるの? というわけで、サステナブルな食を目指す現代において、中身の料理だけを食べてダイコンを捨ててしまうのはもったいないと思います。ここでは、ダイコンのフードロス削減を目指して、料理をより健康的に食べる方法をご紹介します。

それぞれが食べる料理+ダイコン

今回とりあげる映画飯は以下の三つです。
それぞれの料理にダイコンをプラスして、より健康的に食べる方法を考えてみました。
 ①   ダイコン嫌いなスネ夫が食べる「ビーフカレー」
②   大食いのジャイアンが食べる「カツ丼」
③   ドラえもんが食べる「あまいどら焼き」

ダイコン嫌いのスネ夫が食べる「ビーフカレー」

農林大臣に任命されたスネ夫は、自分で育てたダイコンを見て「ぼく、ダイコン嫌い」と言っています。ダイコン嫌いのスネ夫におすすめしたいのが、「根」よりも栄養価の高いダイコンの"葉"の部分です。豊富なベータカロテンやビタミンCは、農作業後の紫外線ダメージから、スネ夫の皮膚や目を守ってくれます。また、ダイコンの根にはほとんど含まれていませんが、葉に多く含まれているビタミンKとカルシウムは、骨を丈夫にしてくれる栄養素です。

大根葉 Photo by Adobe Stock

 調理も簡単です。葉を細かく刻んで塩もみしておくと、水分が出てしんなりするので、軽くしぼってごはんに混ぜ込み、菜飯にしましょう。菜飯はカレーにもよくあいます。外で天日干ししてふりかけにするのもいいですね! 

根の部分だって、カレーの具にしてしまえば、ダイコンが苦手な人でも食べやすいと思います。

大食いのジャイアンが食べる「カツ丼」

建設大臣に任命されたジャイアンは、ひとりで立派な家を完成させます。アニメ版のジャイアンは意地悪ですが、映画版ではいつも強くて頼りになるかっこいい存在です。この映画でも一番大変な役目をしっかりやり遂げています。さすがジャイアン、消費したエネルギーをしっかりチャージしましょう。
 
そもそも大食いのジャイアンですが、どれだけ多く食べても、食べた物をしっかり消化吸収できなければエネルギーにはできません。とくにカツ丼のような揚げ物は高エネルギーですが、脂質の消化に時間がかかるため、上手に栄養に変えられないことも多いのです。そんな時こそダイコンを活用しましょう。
 
「食事前に食べる生のダイコン」はジャイアンの消化吸収機能をサポートしてくれます。ダイコンには大量の消化酵素が含まれているからです。ただし酵素は60度以上の加熱で失活してしまうので、ダイコンは生のままかじりましょう。ポン酢で食べるおろしカツ丼にしてもいいですね。

大根おろし Photo by Adobe Stock

ドラえもんが食べる「あまいどら焼き」

ドラえもんの食事は、ここでもやっぱりどら焼きでした。どら焼きは、糖質量の多い小麦粉・小豆・砂糖を材料に作りますので、どうしても血糖値を急上昇させてしまいます。しかもすごい数のどら焼きを食べています。
そんなドラえもんには、野菜を最初に食べる「ベジファースト」がオススメです。ベジファーストは野菜に豊富な水溶性食物繊維が糖質の吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を防いで生活習慣病や肥満を抑制します。
 
映画の中で、ドラえもんがスネ夫に「葉っぱはいらないから捨てて」と言うシーンがありますが、じつは、ダイコンの根も葉も捨てずにおいしく食べられるエコな料理があります。それがぬか漬けです。ぬか床さえあれば簡単に作れますし、食べたい時に取り出せば、立派な一品料理になります。意外なことに和菓子との相性も悪くありません。ぜんざいの横に添えられた塩昆布のように、甘いものを食べた後の口をリセットして、大量のどら焼きを最後までおいしく食べさせてくれるでしょう。

大根のぬか漬け Photo by Adobe Stock

地球にも人間にもやさしい食こそが、持続可能な食サイクルをつくると信じています。

映画飯で広がる夢は無限大∞ これからも映画飯で大いにトトノイたいと思います
 
イラスト: 眞野えみ里(まの・えみり)

1996年生まれ。大学でファッションデザイン・プロダクトデザインを学び、
授業終わりには映画館でアルバイト。
大学卒業後は広告営業として働き、コロナ禍でおうち時間が増えたことをきっかけに、イラストをインスタグラムに投稿し始める。現在は仕事の傍ら、映画のイラストと感想を「emamovie2」というアカウント名で投稿中。
好きな映画作品は「ビフォア・サンライズ」「ジョー・ブラックをよろしく」

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ライター
石松佑梨

石松佑梨

いしまつゆり トトノイニスト (管理栄養士・国際中医薬膳管理師)。サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から、おいしいへの執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に「過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー」(かんき出版)がある。2023年4月よりイラストも担当。