毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。
2024.2.16
配信チェック:「バッドランド・ハンターズ」 主人公の無双ぶりがとにかくカッコいい
映画ファンなら知っての通り、スクリーンの向こう側にある「世界」は、幾度となく破滅の危機にひんしている。例えば「インデペンデンス・デイ」などがそう。今作は、その先の既に滅んでしまった「世界」を描くアクション作品で、1月から配信中だ。
舞台は韓国。巨大地震の襲来でビルは崩れ落ち、荒廃した無法地帯が広がっていた。ある日、スナ(ノ・ジョンウィ)という少女の前に、大人たちの一団が訪れ「安全な場所がある」と移住を誘う。しかし、その建物の中では、狂気の医師(イ・ヒジュン)による奇怪な人体実験が進行中だった。ハンターのナムサン(マ・ドンソク)は、親しくしていた彼女を救う戦いに仲間とともに赴く。
人気俳優のマ・ドンソクが演じる主人公が、とにかく強くてカッコいい。弱者に優しく、巨体から繰り出すパンチで敵を倒していく。朽ち果てた世界の陰惨さを感じる前に、その無双ぶりを追いかけていたら、時間が過ぎてしまった。彼が刑事役で暴れ回るシリーズの第3作「犯罪都市 NO WAY OUT」が2月23日に日本で封切り。今作は、公開前の「予習」にいいかもしれない。ホ・ミョンヘン監督。1時間48分。ネットフリックスで独占配信中。(屋)