Netflixシリーズ独占配信中の「無人島のディーバ」

Netflixシリーズ独占配信中の「無人島のディーバ」

2023.12.08

配信チェック:「無人島のディーバ」 いい意味で翻弄される物語

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

昨年の韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」で主人公を演じた、パク・ウンビンの最新主演・連続ドラマ。「ヨンウ」はネットフリックスで日本でも配信され、幾週も「今日のTV番組TOP10」に入った人気作。同じくネトフリ独占配信の今作も、本稿の執筆時点でトップ10以内を維持し、注目度の高さが分かる。

離島に暮らす中学生のソ・モクハ(イ・レ)は傑出した歌の才能の持ち主。人気歌手のユン・ランジュ(キム・ヒョジン)に憧れ、ディーバ(歌姫)になる日を夢見る一方、父親の暴力に苦しんでいた。ある夜、ひそかに家を出て、ソウルに渡ると決意。だが、彼女は船から転落し、無人島に漂着。それから15年。モクハ(ウンビン)は生きのびていた。

ここまでが第1話のあらすじ。社会復帰したモクハは、歌手の道へ一直線……とはならず、違う仕事を始める。他のドラマ以上に先の展開が読めず、いい意味で「この物語、どう進むの?」と翻弄(ほんろう)された。この作品、10月に韓国のテレビで始まって今月終了。放送に合わせて、各話が順次配信された。連ドラを「一気見」するのもいいが、物語の進行とともに他のファンと「次回が楽しみ」な気分を共有するのも悪くない。その範囲がネットにより海外にまで広がっているのが、今ならではだ。オ・チュンファン監督。全12話。(屋)