ひとしねま

2024.3.08

チャートの裏側:隆盛続く邦画アニメ

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

邦画アニメーションの隆盛は、どこまで続くのか。今年公開された作品としては、今回の「ドラえもん」の新作で、何と4本の邦画アニメが初登場トップを飾ったことになる。実写作品の初登場トップは、「ゴールデンカムイ」の邦画1本のみだ。洋画は存在感が極めて薄い。

あるシネコンでデータを取ってもらった。3月1~3日の3日間で、アニメと実写作品の興行収入シェアが、何と67%対33%だった。チャートにとどまらず、上映作品のトータル成績で圧倒的なアニメ優位なのである。数が多いせいもあるが、ここまで来たのかとの思いが強い。

その興行の特徴として、アニメのヒットが多様になってきた印象がある。興行収入で100億円を超える、メガヒット作品が並んでいるわけではない。ヒット作品の数が増えたとともに、1本ごとのヒットのスケールが、だんだん大きくなってきた。客層も多様だと言える。

もともと、人気のあったアニメシリーズが、さらなる集客力を上げていることも見逃せない。「機動戦士ガンダム」と「劇場版ハイキュー‼」の新作だ。ともに女性層が増えているのは、多彩なキャラクター人気にもよる。アニメ興行は、いわゆる「推し活」の観客が支えているとも言われる。この基盤は強い。邦画アニメの隆盛は、当分続きそうな予感がある。(映画ジャーナリスト・大高宏雄)

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