ひとしねま

2023.3.31

データで読解:危機と変化をチャンスに

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

公開4週目の「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」が1位に返り咲いた。

「ドラえもん」は例年、春休みの3月に公開されてきた。最終興行収入は30億円程度から近年拡大傾向にあり、2018、19年は50億円台に達していた。新型コロナウイルス禍で8月公開となった20年は33.5億円、春休み公開に戻った22年も26.9億円にとどまったが、今年は40億円を超えるペースで推移。コロナ禍の終息ムードも強まり、平常化が感じられる。

市場全体も世界的に異例な復興を成し遂げている。1年に1本以上映画館で映画を見る映画参加率は先週末、22年初めに底を打って以来、最高の数字となった。

鑑賞者の嗜好(しこう)やメディア行動は、この間変化してきた。アニメ作品がファンを集めてヒットする現象が顕著となった。ヒット映画と、動画配信される関連作品の視聴が連動するようになった。「換気が悪い」という映画館のイメージも変わり、チケットをネット購入する割合も高まった。情報入手経路としてデジタルメディアも存在感を増した。

ピンチをチャンスに、変化を好機とした取り組みが市場をけん引するのは、世の常である。(GEM Partners代表・梅津文)

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