毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。
2023.4.28
配信チェック:「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」 面白さは評判通り
弁護士が主人公の韓国ドラマで、既に日本でも大ヒット。配信が始まったのは昨年だが、今回紹介するのは理由がある。「韓国のゴールデングローブ賞」とも称される「百想(ペクサン)芸術大賞」で、テレビドラマの作品賞にノミネートされたのだ。受賞すれば注目度はグッと増すはずだ。結果は28日夜に明らかになる。
ウ・ヨンウ(パク・ウンビン)は自閉スペクトラム症を抱えて生きる弁護士。名門ソウル大学を首席で卒業したが、回転ドアをスムーズに通るなど、他の人には難なくできることができない。それでも縁あって大手法律事務所に職を得て、法廷に立つ。彼女は果たして、依頼人を救えるのか……。
面白さは評判の通り。私も休日に「一気見」するか迷ったが、結局は1日1話ずつ追いかけて楽しんだ。今年の同賞候補には、「ヨンウ」のほか日本で評判の作品が他にもある。「私の解放日誌」「ザ・グローリー~輝かしき復讐~」「私たちのブルース」「シスターズ」。これらは全て、ネットフリックスで今も視聴可能だ。視聴者の立場としては選択肢が増えて喜ばしいが、日本のドラマ制作者にとっては、強力な〝ライバル〟が常駐している環境。大変な時代になったものである。
ユ・インシク監督。全16話。ネットフリックスで独占配信中。(屋)