「ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!」

「ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!」© 2024 Making Movies, Heimathafen Film, Mutant Koala Pictures, Umedia, Soul Food

2024.12.20

「ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!」 半端ないメタル愛とずっこけぶり

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

2019年に公開され、異例の大ヒットとなったフィンランドのコメディー「ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!」の続編。前作同様、ド田舎のメタルコピーバンド「インペイルド・レクタム(直腸陥没)」が主人公だ。前作ラストで逮捕、拘束されたメンバー4人は看守の目を盗み刑務所で演奏していたが、ギタリストの父親が倒れ実家の食肉処分場が乗っ取られそうになる。彼らは脱獄を決意、出演料で食肉処分場を救うべくドイツのメタルフェス出演を目指す。

メタル愛は半端じゃないが、それを上回るずっこけぶりがさらにパワーアップ。彼らを追う女性刑務官はじめ登場人物はほぼ変人という徹底ぶりで、クスクス笑いと爆笑の連続だ。スピーディーな展開と前作に続くミカ・ラマサーリの音楽でノリノリ気分が加速。生真面目に〝好き〟や職務に猛進する人ほど、本作への愛着心(?)が芽生えるかも。国外での活躍が目立つ日本の女性3人組メタルダンスユニット「ベビーメタル」も出演。ユッカ・ビドゥグレン&ユーソ・ラーティオ監督。1時間36分。東京・シネマート新宿、大阪・T・ジョイ梅田ほか。(鈴)

ここに注目

アキ・カウリスマキ監督を思わせる、北欧ならではのとぼけたオフビートなタッチとユーモアが、崖っぷちのヘビーメタルバンドのドタバタ奮闘劇と熱い化学反応を起こす。思わず応援したくなるキャラクターの魅力も相まって、意外なほどの感動が。ベビーメタルの登場シーンも楽しい。(細)

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