「ドミノ」 © 2023 Hypnotic Film Holdings LLC.

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2023.10.27

特選掘り出し!:「ドミノ」 ヒッチコック作品に触発された犯罪ミステリー

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

「デスペラード」「シン・シティ」のロバート・ロドリゲス監督が往年のヒッチコック作品に触発され、約20年前に構想した企画を実現。大がかりなトリックが仕組まれた世界観とひねりの利いたストーリー展開が見ものの犯罪ミステリーだ。

数年前に失踪した娘ミニーを捜し続ける中年刑事ダニー(ベン・アフレック)。ある日、銀行強盗計画の通報を受けた彼は、現場で怪しげな男(ウィリアム・フィクナー)を目撃し、貸金庫でミニーの写真を発見する。やがてダイアナ(アリシー・ブラガ)という占師と出会ったダニーは、現実と虚構が錯綜(さくそう)する迷宮世界にさまよい込んでいく。

催眠術によって操られた人々が突然ダニーに襲いかかってきたり、目の前の現実が「インセプション」のようにゆがんで崩壊したりする映像世界は、まさに謎だらけ。しかし、ある秘密機関の陰謀が明かされる後半は、それまでの伏線が矢継ぎ早に回収され、クライマックスには2度のどんでん返しが待ち受ける。

設定はSF的だが、1時間34分の本編に活劇もたっぷり盛り込み、ダニーと敵のだまし合いを描いた作風は人間臭いアナログ調。アフレックのどっしりとした存在感、悪役フィクナーの不気味さも印象深い。東京・TOHOシネマズ日本橋、大阪ステーションシティシネマほか。(諭)

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