「インサイド・ヘッド2」

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2024.8.02

特選掘り出し!:「インサイド・ヘッド2」 新しい感情たちが暗躍

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

「ヨロコビ」や「カナシミ」など感情を擬人化し、少女の喜怒哀楽を頭の中から描いた「インサイド・ヘッド」の続編。主人公ライリーは高校入学を控えた思春期に突入。新たな感情が加わって大混乱。ティーンのめんどくさい七転八倒を、またしても巧みに擬人化してみせた。

ライリーの脳内司令塔は拡張され、新しい感情が現れる。中でも、失敗しないように先回りするシンパイは、リーダー格だったヨロコビを押しのけて司令塔を占拠。2人の親友とホッケーの強化合宿に参加したライリーだったが、2人が別の学校に行くことが判明。シンパイは進学先のスター選手、バレンティナに気に入られようと策を練るのだが……。

他人を見て落ち込んだり無理して背伸びしたり、全部空回りして大恥をかいた(と思い込んだ)り、自我が芽生えたあの頃の、痛くて酸っぱい気分を思い出す。その脳内を分析するような、感情たちの〝暗躍〟にいちいち納得。「ジブンラシサ」の花を咲かせるために、失敗を含めてたくさん経験すべし。子供も大人も、それぞれに共感できそう。ケルシー・マン監督。1時間36分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田ほかで公開中。(勝)

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