「ロスト・フライト」 © 2022 Plane Film Holdings, LLC.  All Rights Reserved.

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2023.11.24

「ロスト・フライト」 全編を貫くひりひりするような緊迫感

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

シンガポール発ホノルル行きの旅客機がフィリピン上空で悪天候に見舞われ、からくもホロ島に不時着。しかし反政府ゲリラに支配されたその島は、正規の救助隊の到着が見込めない。トランス機長(ジェラルド・バトラー)は、移送中の殺人犯ガスパール(マイク・コルター)の協力を得て、ゲリラに連れ去られた乗客の奪還に挑む。

冒頭30分の航空パニックを経て、武装ゲリラとの攻防、自力での島からの脱出へと転じていくサバイバルアクション。派手なドンパチよりもリアルなサスペンスを重んじた作風ゆえに、全編がひりひりするような緊迫感に貫かれている。航空会社の危機対策本部が少数の傭兵(ようへい)部隊を現地に派遣し、機長らと一体になってゲリラの襲撃を迎え撃つクライマックスも大いに盛り上がる。「エンド・オブ・ホワイトハウス」など、このジャンルはお任せのバトラーが、機長としての責任をまっとうしようと奮闘する主人公を気迫たっぷりに熱演。監督は「アサルト13 要塞警察」のジャン・フランソワ・リシェ。1時間47分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田ほか。(諭)

ここに注目

人物造形よりもストーリーで運ぶ、言ってみればB級アクション。となると、どう楽しませてくれるか。頼れるリーダーのトランス機長といい、憎々しげな悪役といい、雰囲気満点。ガスパールの役回りも効いている。いやいや決して、後世語り継がれる傑作ではないが、期待値を低くすれば掘り出し物。(勝)

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