「マルセル 靴をはいた小さな貝」 © 2021 Marcel the Movie LLC. All rights reserved.

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2023.6.30

特選掘り出し!:「マルセル 靴をはいた小さな貝」 どんどん可愛らしく

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

体長2.5㌢の貝マルセルが祖母のコニーと暮らす一軒家に、映像作家のディーンが引っ越してきた。マルセルたちを撮影した動画をアップすると、全米の人気者になっていく。

実写にストップモーションアニメを掛け合わせ、しかも映像作家が小さな貝にインタビューをするという「モキュメンタリー」の手法を採用。このユニークな設定の作品は、2010年からユーチューブで順次公開された短編を、7年もかけて長編映画化したものだという。

広いスペースで工夫して生活するための知恵に膝を打ち、家族や仲間を思う好奇心旺盛なマルセルの言葉に心をつかまれる。貝殻に大きな目がついたルックスに初めこそギョッとするものの、どんどんたまらなく可愛らしく見えてくるマジックも。SNS社会の現実を映し出しながら、監督はあくまでも世界の真ん中からはみ出した者たちの日常を描き出し、さりげなくエールを送る。

マルセルの愛らしさを増す声を務めているのは、脚本も手掛けているジェニー・スレイト。祖母の声をイザベラ・ロッセリーニが担当している。監督は、「リロ&スティッチ」の実写リメーク版の監督にも抜てきされた注目の才能、ディーン・フライシャー・キャンプ。1時間30分。東京・新宿武蔵野館、大阪・シネ・リーブル梅田ほか。(細)

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