ディズニープラスで独占配信中の「ムービング」

ディズニープラスで独占配信中の「ムービング」

2023.11.10

配信チェック:「ムービング」 旋風呼ぶ韓国・超能力ドラマ

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

今夏の配信開始から世界中で人気に。「今年最高の韓国ドラマ」との呼び声高く、韓国では〝ムービング旋風〟が起きている。10月の釜山国際映画祭「アジアコンテンツ&グローバルOTTアワード」では、最優秀クリエーティブ賞など計6冠に輝いた。あの「イカゲーム」でも2冠だったと聞けば、すごさが分かる。

おとなしい性格の高校生、キム・ボンソク(イ・ジョンハ)には秘密がある。実は超能力の持ち主で、空を飛べるというより、普段でも油断すると体が浮き上がってしまう。ある日、彼のクラスにチャン・ヒス(コ・ユンジョン)が転校してくる。どうやら彼女にも、ボンソクとは違う特殊な能力があるようだ。

「天にも昇る心地」というが、ヒスがボンソクに好意を示すと、彼の靴は地面を離れ出す。恋の始まり?にほのぼの……と思っていたら、第8話で突如、舞台は何十年も前に急転換する。サスペンスあり、アクションあり。どのジャンルというより「全てのジャンル」を内包したような奥行きだが、見ていて混乱しない。韓国ドラマの「実力」を見せつけられた気がした。さらに言えば第14話で、ある登場人物同士が手を取り合うシーンにじーんとする。

パク・インジェ、パク・ユンソ監督。全20話。ディズニープラスで独占配信中。(屋)

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