ネットフリックスで独占配信中の「マーダー・ミステリー2」

ネットフリックスで独占配信中の「マーダー・ミステリー2」

2023.4.14

配信チェック:「マーダー・ミステリー2」 バカバカしいことを真剣に

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

タイトルは仰々しいが、実際は殺人事件の現場を舞台にしたコメディー映画。2019年の第1作を経て、先月末に続編の配信が始まった。

銃の扱いがド下手な警察官、ニック(アダム・サンドラー)とミステリー小説好きの美容師、オードリー(ジェニファー・アニストン)の夫婦。豪華船上パーティーで起こった事件を鮮やか(?)に解決し、その気になって職を辞め、探偵事務所を開いた。その2人に、船で出会っていた大富豪、マハラジャ(アディール・アクタル)から連絡が入る。彼が所有する島での結婚式に招かれ、喜び勇んで上陸したが、今回も無事ではいられなかった……。

殺人が起こるから「怖そう」だと心配する必要は皆無。パリのエッフェル塔で、よく見ると「ミッション・インポッシブル」級の死闘が繰り広げられるが、それさえも笑いを増幅させる要素になる。バカバカしいことこそ、真剣に、豪快に。その見本を眺めているようで楽しい。

時系列は第1作の4年後で、物語の基本的な展開は前作を踏襲する。一方、アクション要素は「2」のほうがグッと強め。両作が同じ媒体でアクセスでき、容易に比べて楽しめるのは配信の「強み」だろうか。

ジェレミー・ガレリック監督。1時間30分。ネットフリックスで独占配信中。(屋)