©岩明均/講談社 ネットフリックスで独占配信中の「寄生獣」 

©岩明均/講談社 ネットフリックスで独占配信中の「寄生獣」 

2024.4.05

配信チェック:「寄生獣―ザ・グレイ―」 グロテスク、スタイリッシュに

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

1990年代にヒットした岩明(いわあき)均の漫画「寄生獣」を原作にした、韓国発の連続ドラマが配信スタート。人間の脳が寄生生物に侵食され、その顔が突如、グロテスクな怪物の姿に変貌。街はパニックに陥る。その世界観に、最新鋭の実写映像でどこまで迫れるか。

チョン・スイン(チョン・ソニ)はスーパーマーケットのレジで働く女性。ある日、男性客に因縁を付けられ、帰り際の道端で襲われる。刃物で瀕死(ひんし)の傷を負わされ、気絶したが、気付くとなぜか男のほうが大傷を負って絶命していた。韓国ではその頃、パラサイト(寄生生物)の意志に動かされた男女の存在が、未曽有の混乱を起こしていた……。

監督は、映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」のヨン・サンホ。ゾンビと感染を免れた人間の攻防や、その過程であらわになる親子愛の描写が人気を得た。今作も、特殊部隊「ザ・グレイ」が異世界の敵を掃討すべく結集。ハラハラ、時として胸にしみる展開は、折り紙付きだ。

さらに、CG(コンピューターグラフィックス)などで表現される怪物たちが「気持ち悪い」というよりは「スタイリッシュ」な感じさえ漂う。ホラー作品が苦手でも楽しめるのでは。全6話。ネットフリックスで独占配信中。(屋)