ネットフリックスで独占配信中の「ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜」

ネットフリックスで独占配信中の「ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜」

2023.9.01

配信チェック:「ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜」 ホラーが苦手な人にも

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

テレビドラマ「舞いあがれ!」「こっち向いてよ向井くん」など、好青年役で人気上昇中の赤楚衛二が主演する配信オリジナルの映画。今作でも社会人1年生の真っすぐな若者を演じるが、周囲の登場「人物」のほとんどがゾンビというのが、過去の出演作とあまりにも違う。

天道輝(あきら)(赤楚)は大学を卒業し、広告を扱う制作会社に入社。先輩たちがいい人だと思ったのはつかの間、パワハラ上司に連日の徹夜残業を強いられ、ブラック企業と気付く。ある日の朝、家を出ると、ゾンビの大群が襲ってくる。輝は逃げ続ける中、ゾンビの毒牙にかかっていない三日月閑(しずか)(白石麻衣)と出会う。

東京の街はパニックに。だが、輝の胸をよぎったのは「このままじゃ、会社に遅れちまう!」という異常な社畜精神だった。だからこそ、彼が「ゾンビになるまでにしたいこと」リストの項目を実現させ、生気を取り戻す表情に「キュンキュン」する。尋常ではない設定だが、役を演じる赤楚を自然と応援したくなる点で、他の出演作と共通している。

同じゾンビ映画「アイアムアヒーロー」「新感染 ファイナル・エクスプレス」より、おぞましさは薄め。コメディー色も程よく混ぜる。ホラーが苦手な人もトライしてみては。石田雄介監督。2時間9分。ネットフリックスで独占配信中。(屋)

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