© 2013 DREAMWORKS LLC AND PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

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2023.1.30

【ドリームガールズ】夢をかなえるのは甘くない|トップアスリート専属管理栄養士の〝映画飯トレ〟

3度の飯より映画が好きという人も、飯がうまければさらに映画が好きになる。 撮影現場、スクリーンの中、映画館のコンフェクショナリーなどなど、映画と食のベストマリッジを追求したコラムです。

石松佑梨

石松佑梨

私がどうしても映画館で見たいのがミュージカル映画です。「ウエストサイドストーリー」、「バーレスク」、「シカゴ」、「ヘアスプレー」、「グレイテスト・ショーマン」、「レ・ミゼラブル」、「オペラ座の怪人」、「LA LA LAND」・・・・・・と、名作だらけのミュージカル映画から、今回は「ドリームガールズ」(2006年)を取り上げてみました。
私はもともと舞台が好きでよく観劇に行きます。臨場感あふれる空気を会場全体で共有できるのは舞台ならではの素晴らしさではないでしょうか。一方、ミュージカル映画の効果的なカットは、わかりやすく気分を盛り上げてくれます。共通するのは終わった後も続く高揚感と、頭の中でエンドレスに流れる(もしかしたら口ずさんでいるかも……)音楽ですね。
 

10kg以上の減量をかなえた、歌姫ビヨンセ

「ドリームガールズ」は大ヒットしたブロードウェイミュージカルを映画化したものです。60年代のアメリカで伝説となった〝ダイアナ・ロス&ザ・シュープリームス〟をモデルとした女性ボーカルグループの栄光と挫折を描いたお話です。
公開当時、ヒロイン・ディーナ役を演じたビヨンセが大変話題になりました。ディーナのモデルは、もちろんダイアナ・ロス! 大変な美貌と歌唱力が求められる役でした。ビヨンセは、この役に10kg近く減量して臨んだと言われています。しかも2週間近くで、これだけの減量に成功したというのだから驚きです。ここまで過酷なダイエットをすると体力は落ちやすいですし、キレイに落とすのは至難の業。ところが映画中のビヨンセは、それはそれは美しかったのです。さらに力強い歌唱は観客全員を圧倒させました。これを成し遂げたことがどれだけすごいことか、超短期間ダイエットのリスクとともに解説します。
 

ダイエットの主流がエネルギー制限から糖質制限に

 近年、ダイエットの主流が〝エネルギー制限〟から〝糖質制限〟へと移り変わりました。
糖質制限は米、麺、パン、甘いものなどを制限することで食後血糖値の上昇を防ぐ食事法です。世間では〝糖質を全く摂(と)らない〟厳しい食事制限というイメージも強いですが、実際は〝ゆるく糖質を減らす〟だけでも十分な効果が得られます。
 
ただし2週間で10kgの体重を落とすためには、厳しい糖質制限でも難しいため、ファスティング(断食)の手法を取り入れる必要があるはずです。固形物を摂らないファスティングは、消化にかかる負担を減らして胃腸を休め、デトックス機能を高めます。
 

パフォーマンスを維持しつつダイエットを成功させるには


Photo by Adobe Stock
この映画の魅力はなんといってもパワフルな歌唱です。エネルギーが不足すると、あのような歌唱力は発揮できません。さらに歌って踊って毎日のハードな撮影を乗り越えるためにもエネルギーは欠かせないのです。つまり、体脂肪をいかに効率的に燃焼させてエネルギーに変えるかが、パフォーマンスを維持したままダイエットを成功させるカギになります。
 
そのためには、糖質制限やファスティングによって、スピーディーに体内の糖質を枯渇させる必要があるのです。体内に糖質がある状態では、体脂肪ではなく糖質をエネルギー源にしてしまうからです。もしダイエット中の空腹に耐えられず、甘いお菓子をつまみ食いしたら…… いくらそれが少量でも、血糖値を急上昇させてしまうでしょう。これでは体脂肪が落ちないだけでなく、ダイエット中のイライラが増したり、集中力が欠けたりするほか、さらなる空腹感の引き金にもなってしまいます。
 

美貌と歌唱力を両立させた奇跡のドリームガール

 
Photo by Adobe Stock
またいずれのダイエット法を選択したとしても、共通して注意しなければならないのが脱水です。糖質には水分を抱え込む性質があるため、糖質制限をすると、水も一緒に体内から抜けてしまいます。ファスティングでは、さらに食事由来の水分まで入ってこなくなるのです。そのためダイエット中には、飲み水として、いつもの倍量の水分を摂る必要があります。
 
水分不足は、乾燥肌や髪などの見た目に影響を及ぼすだけでなく、喉の乾燥は歌手にとって命取りです。また腸や鼻の粘膜が乾燥すると、防御機能が低下して風邪にもかかりやすくなります。撮影で体調を崩してしまっては元も子もないですよね。さらに血液の90%も水分からできていますので、脱水になると血流が悪化して代謝が落ちて痩せにくくなってしまいます。
 
このように、極端なダイエットで美貌と歌唱力を両立させるのは容易ではありません。ビヨンセ自身も、ダイエットを振り返って〝あまりにも危険なダイエットなので絶対にまねしないように!〟と話していたそうです。究極の努力でボディシェイプをかなえ、同作を大ヒットに導いたビヨンセこそがドリームガールだったのかもしれませんね。
※極端なダイエットをする際は、医師などの指示に従い、安全性を確保した上で適切に行いましょう。
 
最後になぞかけでトトノイましょう。
夢をかなえることとかけまして、糖質制限とときます。
〝その心は、どちらも甘くない〟 

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ライター
石松佑梨

石松佑梨

いしまつゆり トトノイニスト (管理栄養士・国際中医薬膳管理師)。サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から、おいしいへの執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に「過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー」(かんき出版)がある。2023年4月よりイラストも担当。

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