政府にとって都合の悪い人物はAIによって探し出され、秘密の暗殺部隊によって密かに消されてしまう未来の日本で、暗殺部隊の女とターゲットの男との間に芽生えた禁断のラブストーリー。メガホンをとったのは、写真家として黒澤明やフランシスコ・コッポラら多くの映画監督や俳優を撮影してきた野火明。映画監督としても短編「ダイヤモンドの月」（1992年）や劇場公開作品「シーレットワルツ」（1996年）、「蟻が空を飛ぶ日」（2013年）で数多くの賞を受賞している。

売れない漫画家大野（品田誠）は、旧日本軍が海外を侵略し、現地の女を犯しては殺すという漫画を描いて、少数のエログロ漫画ファンに支持されていた。大野はある日出会ったチサ（長谷川千紗）と恋に落ちる。だがチサには、反戦を訴えるジャーナリストや文化人等、政府にとって都合が悪いとAIが判断した人たちを暗殺する秘密の仕事があった。チサは大野を暗殺するために近づいたのだったが、大野に本気で恋をしてしまい、2人の奇妙な同棲生活がはじまる。