全米No.1バンドと言われ、人気絶頂にあったブラッド・スウェット＆ティアーズ（BS&T）が、東欧ツアーから帰国後、その地位から滑り落ち消えていった謎に迫る音楽サスペンス・ドキュメンタリー。

ブラスロックというジャンルを確立したBS&Tは、新ボーカルのデビッド・クレイトン・トーマス加入後のセカンドアルバム「血と汗と涙」が7週連続全米1位を記録し、第12回グラミー賞を受賞、収録曲の「スピニング・ホイール」「アンド・ホエン・アイ・ダイ」「ユーヴ・メイド・ミー・ソー・ヴェリー・ハッピー」もシングルチャートを席巻と絶頂期にあった。そんな彼らが向かったのが、アメリカ国務省が主催した〝鉄のカーテンツアー〟だった。しかしその直後、二分化した社会のキャンセルカルチャーに巻き込まれ、人気絶頂から転落していく。

本作は、鉄のカーテンの向こう側で撮影されたフィルム、BS&Tメンバーや当時の関係者から提供された写真と証言、ニクソンとキッシンジャー国務長官との間のホワイトハウスでのやり取りを含むアメリカ政府文書、ユーゴスラビアとドイツのテレビ局向けのパフォーマンス映像、ルーマニアの秘密警察からのファイルなど、これまで明らかになっていなかった数多の機密データによって不都合な歴史の真実をあぶり出す。

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