監督・脚本は、「あんてるさんの花」（2012年）で初監督以降、「ちょっとまて野球部！」（18年）、「お前ら全員めんどくさい！」（19年）のほか、ドラマ「NICE FLIGHT!」や「勝利の法廷式」、「家政夫のミタゾノ」など、映画だけではなく、ドラマやミュージックビデオ、舞台まで広く手がけている宝来忠昭。谷崎潤一郎の名作「痴人の愛」を原案に、舞台を現代に置き換え、原作の登場人物たちの性別を逆にするアレンジを加えて映画化した。同じく宝来忠昭監督が手がけ、谷崎潤一郎の「卍」を原案に、男女を逆にしてアレンジした「卍 リバース」を同時上映する。

捨て猫のように道端にぽつんと座り込んでいたゆずるを放っておくことはできなかった教師のなおみは、広い家に引っ越し、勉強を教え、少ない給料をふたりの生活につぎ込んでいった。ゆずるとの間に体の関係は無かった。行くあてのない年下の男を不憫に思い、その成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されながら、その蠱惑的な魅力の虜になっていく。

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