人里離れた山奥で寺も家族も持たず、一人「己事究明」する禅僧、村上光照老師。罪なき罪で獄中に22年、「人は生まれて来て死ぬだけだ」と語るリアリストの侠客、川口和秀親分。禅の精神世界に憧れ、老師に師事するため一生懸命になる親分。禅の流儀で門前払いする老師。2人はそれぞれにかけがえのない人との死別を体験し、運命の歯車は急回転していく。「大丈夫」になるために奮闘する一人の極道と、仏の命をただ一筋に生きる老師との、生死を巡る赤裸々な精神の記録。そして、七年の時を経てたどり着く深遠な結末。

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