1961年6月から1962年にかけて、NET(現在のテレビ朝日)で放映された47都道府県をめぐる紀行ドキュメンタリー番組「日本発見」。本作は、この25時間に及ぶ映像記録を99分に再構築した〝全国版〟。当時は、東京オリンピックを3年後に控え、日本が高度経済成長期に本格的に突入していった時代。明治期の名残や戦前から戦後の時の流れ、そして現代へつながる出発点になる風景や出来事などが貴重な映像記録として収められている。
まだ「計画がある」状態の青函トンネル、東海村に国産原子炉はまだなく、沖縄の本土復帰は10年以上も先のことであり、新幹線も走っていなかった。冷蔵庫が「電気冷蔵庫」と呼ばれ、高速道路は「高速度道路」と呼ばれていた。大陸などからの引揚事業の名残が各地に残り、高度経済成長という未来に向かう変化と、敗戦からの復興という過去の清算が日常に入り混じった時代をカメラは浮き彫りにする。
テレビ放送時の各エピソードを演出したのは、羽仁進をはじめ黒木和雄、土本典昭など、長編映画でも知られる監督も名を連ね、「太陽を盗んだ男」の撮影を担当した瀬川順一なども参加している。〝全国版〟の本作を監督(企画・構成・演出・編集)したのは、「ニュースコール」(1991年)や「新ドキュメントUSA」、「CBS60ミニッツⅡ」など、TBS製作の報道番組の演出に10年ほど関わるかたわら、字幕翻訳家としても活動してきた落合寿和。協力として東京大学学術専門員の山内隆治と株式会社東京光音の松信秀明が参加している。
「産業・ものづくり編」「歴史・伝統芸能そして未来編」と合わせ、「日本発見リミックス」三部作として同時公開予定。
©2024 記録映画保存センター
公開日: 2024年09月20日
日本発見リミックス全国版
監督 :
2024年 /日本 /99分
配給 :
公式サイト: https://heather.co.jp/discoverjapan/
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