本作は、現在出版社で漫画編集者として働く葛里華（かつ・りか）監督による初のオリジナル長編作品。2020年に実施した、様々なニュアンスで観客の心を揺さぶる企画を全国から募集するプロジェクト「感動シネマアワード」（主催：レプロエンタテインメント）で、大賞を受賞した。主人公・屋内透（おくない・とおる）を演じたのは第12回TAMA映画賞最優秀新進男優賞や第45回報知映画賞新人賞、第42回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞と、数々の映画祭でその実力を認められ、2023年は映画『THE LEGEND&BUTTERFLY』、映画『エゴイスト』など出演作品が続く俳優・宮沢氷魚。屋内に恋する小向春（こむかい・はる）を演じたのは、カンヌ映画祭に選出された映画「初恋」（2019年）のヒロインをオーディションの末射止め、映画、ドラマで活躍する小西桜子。

雑誌編集者の小向春（小西桜子）は、仕事も恋もうまくいかない。ある日、取材で、「青い絵しか描かない」画家・屋内透（宮沢氷魚）と出会う。春は、思ったことを口にし、感情を隠すことなく嘘がつけない屋内に、戸惑いながらも惹かれていくが、屋内が持つその純粋さは「発達障害」の特性でもあった。ただ、ずっと空気ばかり読んできた春にとって、そんな屋内の姿はとても新鮮で魅力的に映る。しかし、「誰かの気持ちを汲み取る」ことができない屋内に振り回され、さまざまな 〝はざま〟で揺れる春は、初めて自分の心に正直に決断する。

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