「白い風船」(1995年)や「チャドルと生きる」(2000年)、「人生タクシー」(2015年)などで、カンヌ、べネチア、ベルリンの三大映画祭を制した世界的映画監督であり、イラン政府との自由をめぐる闘争でも知られるジャファル・パナヒの制作現場で経験を積んだ長男パナー・パナヒの長編デビュー作。パナー・パナヒ監督の家族や友人に起きた出来事から触発されたという本作は、ユーモアとペーソス、そしてサスペンスに富んだ家族のロードムービー。フィラデルフィア映画祭で特別賞を受賞した。
荒涼としたイランの大地を車で旅している4人家族と1匹の犬。後部座席では足にギプスをつけた父が悪態をつきながら、旅に大はしゃぎする幼い次男の相手をしている。助手席の母はカーステレオから流れる古い歌謡曲に体を揺らし、運転席では成人したばかりの長男が無言でハンドルを握っている。次男が隠し持ってきた携帯電話を道端に置き去ったり、尾行に怯えたり、転倒した自転車レースの選手を乗せたり、余命わずかなペットの犬の世話をしたりしながら、一家はやがてトルコ国境近くの高原に到着する。そこで父と母は羊飼いや仮面をつけた男と交渉し、長男は「旅人」として村人に迎えられる。旅の目的を知らない次男が無邪気に騒ぐ中、我々はこの家族の行方を知ることになる。
©JP Film Production, 2021
公開日: 2023年08月24日
君は行く先を知らない
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原題:HIT THE ROAD
2020年 /イラン /93分 /G
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公式サイト: https://www.flag-pictures.co.jp/hittheroad-movie/
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