チェチェン紛争で難民や独立派ゲリラ、麻薬や武器を密売するマフィアまでが押し寄せ、〝テロリストの巣窟〟といわれた東ジョージアの山岳地帯のパンキシ渓谷。本作は、ここに暮らすキスト（チェチェン系ジョージア人）と呼ばれるイスラム教徒の人々を3年間に渡り記録したドキュメンタリー。タイトルの「アダミアニ」とは、神が最初に創造したアダムを語源とするジョージア語で「人間」を意味する言葉。

本作が初の長編映画となる竹岡寛俊監督は、2010年にジョージアのパンキシ渓谷に住むキストの人々と出会い、ドキュメンタリー制作を始めた。2014年にキストの暮らしを追ったドキュメンタリー番組でATP賞新人賞受賞、2019年には、シリア内戦で息子を失った母をテーマにしたNHK番組でATP 賞ドキュメンタリー部門最優秀賞を受賞している。本作では、東京ドキュメンタリー映画祭長編部門グランプリ受賞のほか、クラクフ映画祭国際映画批評家連盟賞、South East European Film Festival 最優秀撮影賞を受賞した。

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