イギリス⼈のラテン⾳楽プロデューサーであり写真家のモ・フィニと、キューバ⼈の⾳楽作曲家で⾳楽プロデューサーのエデシオ・アレハンドロが共同監督を務めた本作は、フィニ監督の友⼈であるキューバ⼈ミュージシャン、フアン・カルロス（Juan Carlos, JC）の実話を基に制作された。キューバでの複雑な⽣活を切り抜けながら、どんな困難にも負けず⾳楽への情熱を追い求めるJCの姿を、エリアデス・オチョアをはじめ、オマーラ・ポルトゥオンド、フアン・デ・マルコス・ゴンザレス&アフロ・キューバン・オールスターズら「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のメンバーや、カンディド・ファブレやデビッド・アルバレスなど、名だたるミュージシャンの演奏をバックに描く。

キューバ⾰命から半世紀以上経ち、⻄洋と⽶ドルを歓迎している2017年のキューバ。JC（エクトル・ノアス）は、地元の⾳楽プロデューサー兼プロモーターであり、農⺠であり、知恵と想像⼒で⽣きる⼩商⼈だ。彼は家族と仕事仲間を養い、地元の〝ゴッドファーザー〟としての地位を維持するため、⾝の丈を超えた⽣活をしている。⾬で農作物が危機に瀕したとき、JC はコンサートを開催する⼀⽅で、豚のえさを調達し、給⽔ポンプを修理し、イギリス⼈⾳楽観光客の⼀団をもてなすという仕事をこなさなければならなかった。その過程で、裏切りや失恋もあるが、JCの軽妙な⼈柄の裏には思いやりがある。彼はただ、友⼈や家族を養い、不安定な⽣活から抜け出したいだけなのだ。ある日、思いがけない電話から⼤⾦を⼿にするチャンスを得た彼は、できれば⼈⽣をより良いものに変えたいと、必死の現⾦探しに乗り出す。

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