「写真の女」（2020年）の串田壮史の長編2作目。物語は、スマートコンタクトレンズから着想を得たオリジナル脚本。装着したレンズを通して、母と半身不随の娘が視覚を共有することによって、体と心の境界を見失いながら真実の愛に目覚めていくサイコスリラー。

チェロ教師の仁美（37）は自動車事故を起こし、同乗していた一人娘のエリ（17）が下半身不随となってしまい、自身も視力を失う。子供を産んで後悔しているという隠していた感情を、エリに見透かされたことに動揺したことが事故を起こした原因だった。仁美は、生体実験中のカメラ内蔵コンタクトレンズを装着することで、視力を回復させることができたが、一方、寝たきりのエリは安楽死を望んでいた。そこで、仁美は、エリにVRゴーグルを装着させ、自分の主観映像を転送して生きる喜びを届けようとする。