「なれのはて」(2021年)でフィリピンにで暮らす困窮邦人の暮らしを描いた粂田剛監督。「なれのはて」に収録しきれなかった人物たちを改めて再編成して出来上がったのが「ベイウォーク」。ベイウォークとはフィリピンの首都マニラで市民の憩いの場として整備された海沿いの遊歩道のこと。昼は家族連れやカップルたちで賑わうが、陽が暮れるとホームレスたちの寝ぐらになる。
そのホームレスたちのなかに、1人の日本人がいた。裏家業で幅をきかせていたが、フィリピンで騙されて一文なしに。日中は露店のタバコ売りの手伝い、夜はベイウォークで路上生活をしている。愛嬌のあるその人柄が幸いしてか、フィリピン人に助けられてばかりの毎日を送っている。
もう1人は、ベイウォークに程近い高層アパートに住む日本人。日本で年金生活を送っていたが、「呑む・打つ・買う」の楽しい老後を夢見てフィリピンに移住を決めた。しかし、フィリピン人をなかなか信用できない彼は、何をやってもうまくいかない。そのうちに、部屋に閉じこもってしまうようになる。
50 歳を過ぎて日本を飛び出し、フィリピンでの生活に夢をみた2人。果たして彼らを待ち受けるものとは―
公開:2022年12月24日
配給:ブライトホース・フィルム
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