2020年7月の熊本豪雨により球磨川が氾濫、壊滅的な被害を受けた人吉球磨地域を舞台に、今なお水害の爪痕に苦しみながらも球磨川とともに生きる人々が感じ取る川の〝囁き〟と明日への希望を描く。きっかけは、災害時の出来事を後世に残すべく、熊本県のグリーンツーリズムに尽力する青木辰司東洋大学名誉教授が制作した絵本「川があふれた!まちが沈んだ日」。連続テレビ小説「おしん」などを手がけた大木一史監督が、青木名誉教授と共に映画化を進めた。
主演は、人吉市出身の中原丈雄。22年ぶりに故郷の人吉に帰る主人公・今西孝之を演じる。孝之の元恋人・山科雪子役を清水美砂、その夫・山科宏一役で三浦浩一、孝之の息子・文則役は渡辺裕太、文則の元同級生・中川樹里役に元AKB48の篠崎彩奈、樹里が人吉球磨地域の名産であるお茶を学ぶ指南役の佐伯夫妻役でカジと輝有子、孝之の母・和江役は寺田路恵、孝之の隣人夫婦は、妻・横谷さとみ役で宮崎美子、夫・直彦役を不破万作が演じている。
熊本豪雨から半年後、母(寺田路恵)の訃報を聞いた今西孝之(中原丈雄)は、22年ぶりに故郷の町に足を踏み入れ、山が削られ、多くの家屋が流されて、川の地形まですっかり変わり果てた故郷の姿を目にする。孝之は、22年会うことのなかった息子の文則(渡辺裕太)と再会。文則は孝之の以前の職である球磨川下りの船頭になるための修業に励んでいるが、かつて幼い自分を見捨てた父に心を開こうとはしない。航空会社の社内に立ち上げられた地方活性化プロジェクトの一員として熊本に戻ってきた元同級生・中川樹里(篠崎彩奈)との関係性を、父の過去と重ねる文則。孝之のかつての恋人である老舗旅館「人吉三日月荘」の女将の雪子(清水美砂)は、半壊した旅館をなんとか再生しようと試みるが、夫の宏一(三浦浩一)は、目の前で父が土砂に呑み込まれるのを見てから、雪子と口を利けていない。孝之の隣人・横谷直彦(不破万作)は、妻・さとみ(宮崎美子)のリクエストで、仮設住宅を出ることにするが…。
2025年6月27日(金)より、熊本県・熊本ピカデリーにて先行公開。
公開日: 2025年07月10日
囁きの河
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方言指導 :
人吉球磨茶監修 :
農作業指導 :
被災体験の伝承 :
2024年 /日本 /108分
配給 :
公式サイト: https://sasayakinokawa-movie.com/
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