新宿を撮り続け、新宿の歴史を日々掘っている簗田智哉監督が、新宿を舞台に、撮りたいのに撮れない写真家と踊りたいのに踊れないポールダンサーの心の旅路を描いた「新宿鸚哥（インコ）」。同調圧力が高まり、自由を失った社会で、状況に抗う2人の男女が自分の心の声を模索していく。世界的に活躍するポールダンサーALLIE KAMIKAZEが映画初出演し、劇中で圧巻のポールダンスを披露する。また、新宿をテーマに映画や写真、映像で表現し続けてきた簗田監督らしく、滅多にメディア露出しないゴールデン街の老舗や、昭和ロマン香るショーパブ、写真ギャラリーの聖地などがロケ地として使われている。

ポートレートが得意な売れっ子写真家の野良猫だったが、撮影現場でモデルが突如死んでしまったことをきっかけに、撮られると死んでしまうという噂が広がり仕事を失う。そんな彼が行きつけのバーで〝新宿鸚哥〟というポールダンサーの噂話を聞く。公演中に観客が死に、人前で踊ることを辞めたらしいと…。自分と境遇が似た新宿鸚哥に惹かれた野良猫は、新宿鸚哥を見つけ、鸚哥の踊りを目の当たりにし、人の死を目撃する。自分の命を賭けてまで写真を撮ることが大事なのか、その覚悟が今の自分にあるのかと自問自答する野良猫は、新宿鸚哥を撮ることができるのだろうか…。