人はなぜ衣服を身に纏うのか、衣の始原を担った「カジの木」のルーツを遡るドキュメンタリー。
木綿(コットン)が普及するまでは、最良の衣料となる繊維植物だった「カジの木」。中国南部が原産地とされるカジの木の樹皮を糸にして織られた幻の織物「倭文(しづり)」は、「日本書紀」や「万葉集」に登場する。現存する実物は残っていないが、カジの木の糸の白さは光の象徴とされ、邪悪なものを祓い、身体を護る神聖な力を持っているとされ、神聖な祈りの対象であった。
本作は、映画監督で映像民俗学を標榜する北村皆雄が5年の歳月をかけて完成。謎めいた日本神話の再現シーンでは、大駱駝艦を主宰する麿赤兒とアーティストのコムアイが出演。冨永愛が語りを務めた。また、現代の織りを担う山口源兵衛(帯匠)、石川文江(楮布織)、西川はるえ(染織家)、妹尾直子(紙布・樹皮布)らが、3年がかりでカジの木の樹皮を使い「倭文」の創造的復元に取り組んだ。
©️Visual Folklore Inc.
公開日: 2024年05月24日
倭文(しづり) 旅するカジの木
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2024年 /日本 /119分
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公式サイト: https://shizuri-movie.com/
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