児童売春や人身売買が横行していた売春禁止法制定前後の台湾。そんな時代に夢を捨て娼婦になったひとりの女性と、娼館で働く人々の現実を描く社会派ヒューマンドラマ。主演は、「呪葬」（2022年）などで日本でも知られる〝台湾ドラマの女神〟ジーン・カオ。主演作「Silent Sparks（英題）」が第75回ベルリン映画祭パノラマ部門に選出されたホアン・グァンジーがダブル主演を務める。

郊外の村で育ったフォンは、歌手になる夢を叶えるため、祖母の反対を無視して台北へと向かう。しかし騙されて、娼婦として日本に売り飛ばされてしまう。数年後、彼女が台湾に戻ると、年老いた祖母は認知症を患っていた。罪悪感に苛まれたフォンは、家に戻らずに再び娼婦として働き始める。そして密かに仕送りをして贖罪に励むのだった。一方、フォンの弟ユーミンは警察官となって、台北でフォンを探していた。そして「売れっ子歌手の姉 」と会えると思っていたユーミンは、娼婦になった姉と再会する。そして、止まった姉弟の〝時〟が、再び動き出す。