短編映画を中心に実績を積んできたヒョン・スルの長編デビュー作。数年前に構想した〝一人の男が元カノにタブレットを返しに行って起きた話〟を描いた短編作品を基に、監督自身の体験を加え、ほろ苦くも愛おしい大人のラブストーリーの長編作品として完成させた。主演は、「エクストリーム・ジョブ」や「幼い依頼人」（いずれも2019年）への出演をはじめ、今年でデビュー10年目を迎えるイ・ドンフィ。私生活も恋愛も怠慢で、ダメ男ぶりを発揮する公務員浪人生のジュノをコミカルに演じる。美術の道を諦め、就職してジュノを支える恋人のアヨン役を「へウォンの恋愛日記」（13年）など、ホン・サンス監督作品でもお馴染みのチョン・ウンチェが演じる。

美大で出会い、恋人になったジュノ（イ・ドンフィ）とアヨン（チョン・ウンチェ）は、2人が次の段階に進むのは時間の問題だと周りからは見られていた。公務員浪人生のジュノを支えるため、美術の道を諦めて不動産会社で働き生計を担うアヨンは、試験勉強もろくにせず、バイトや遊びに明け暮れるジュノにとうとう我慢が限界に達し、勢いでケンカ別れをしてしまう。お互いを忘れるべく、アヨンは自分のキャリアを追求し、ジュノは友人のもとで働き始めるなか、それぞれに新たな出会いが訪れるが…。

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