定年退職した69歳の男性が、かかってきた一本の電話を機に、突如スパイに仕立て上げられ、闇バイトの一端を担わされるという実際の事件を、当事者である被害者本人が脚本・主演で映画化した前代未聞の作品。

長年アメリカに住んでいるジェリーは、いまや妻と離婚し、定年退職。3人の息子とも離れて、独りで暮らしていた。そんなある日、彼のもとに中国警察から緊急電話がかかってくる。それは、国際的なマネーロンダリング事件の捜査で自身が第一容疑者になっていることを知らせるものだった。ジェリーがフロリダに持つ銀行口座を通して128万ドルが違法に移動されているというのだ。逮捕され、中国に強制送還させられると告げられたジェリーは、中国警察のスパイとして事件の捜査に協力させられるはめに。その後、数週間、銀行を監視して写真を撮る、極秘の送金を行う、さらには隠しマイクを着けて窓口係を探るなど、国際的なマネーロンダリング事件に対する捜査を手伝うのだったが…。数カ月の間、家族にもこの潜入捜査について隠していたジュリーだったが、ついにすべてを打ち明ける。そして家族は、驚愕の選択をすることになる。