テーマは「映画館（THEATERS）」。ミニシアターは、コロナ禍の打撃も加わり、減少の一途をたどっている。〝文化発信の場所を残してほしい〟の思いから、気鋭の4人の監督たちが一つのテーマで4つの物語をつないだオムニバス作品。

◾️4つの物語
「銀幕エレジー」監督：山口雄也／深谷シネマ
玉の輿婚を果たした友恵。初めは優しかった夫は、明らかに友恵を見下し、DVを受けるようになる。両親に相談するも「今に良くなる」「耐えろ」と言われるばかり。ある日、友恵はある決断をする。酒蔵をリノベーションして作られた深谷シネマに、人生はやり直せるの思いを込めて。

「シネマコンプレックス」監督：中村公彦／シネマ・ジャックアンドベティ
念願の初監督作品を完成させた手条順也だったが、主演俳優がスポンサーの令嬢とダブル不倫を起こし、作品はお蔵入りに。絶望した手条は反社から買った拳銃でプロデューサーに発砲して逃げるが、弟分の助監督に説得され自首することになる。その前に子供の頃通っていた横浜の映画館に立ち寄ると、そこにはかつて手条に映画の楽しみ方を教えてくれた支配人の東方紀明がいた。

「俺と映画と、ある女」監督：鈴木太一／横川シネマ
初長編作品の上映のため訪れた横川シネマで体験した出会いと交流。鈴木太一監督の実体験に基づく物語。

「colorful」監督：沖正人／御成座
色を識別出来ない病気を抱える宗徳は、交通事故で両親を亡くし児童養護施設に預けられることになる。叔母と施設に向かう途中、だいぶ前に閉館し、廃墟となっているはずの映画館の前を通りがかると、かつての賑やかで華やかだった頃の様子になっていた。支配人に招かれ、映画館に入っていった2人は、不思議な体験をする。

©2021「THEATERS」製作委員会