〝オレオレ詐欺〟に引っかかってしまった93歳のおばあちゃんが、何とか犯人を突き止め、大金を取り戻すことを決意する〝スロー〟アクションコメディ。主演は、「ネブラスカ　ふたつの心をつなぐ旅」（13年）でアカデミー賞助演女優賞ノミネートの経験があるものの、本作が93歳にして映画初主演となるジューン・スキップ。共演は、テルマの日常の面倒をみる愛すべき孫のダニエル役に、「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」や「クレイヴン・ザ・ハンター」、「ニッケル・ボーイズ」（いずれも24年）のフレッド・ヘッキンジャー。テルマの娘ゲイルに「ボーはおそれている」（23年）などのパーカー・ポージー。彼女の夫アランには、MCUシリーズ「エージェント・オブ・シールド」（13〜20年）の主人公、コールソン捜査官で知られるクラーク・グレッグ。また「時計じかけのオレンジ」（71年）などのマルコム・マクダウェルが映画の後半でキーパーソンとして登場。さらにテルマと行動を共にするベン役を、「黒いジャガー」（71）に主演し、1970年代の〝ブラックスプロイテーション〟のジャンルを牽引したリチャード・ラウンドトゥリーが演じる。ラウンドトゥリーは、2023年10月に他界し、本作が遺作となった。

93歳テルマは夫に先立たれ、心優しい孫のダニエルがベストフレンドの、寂しくも気楽な一人暮らし。そんなある日、一本の電話がテルマの運命を変える。「おばあちゃん、オレオレ。事故を起こしてしまったよ！」。刑務所にいるという愛する孫を助けるため、テルマは急いで保釈金の1万ドルをポストに投函する。しかしそれは、オレオレ詐欺だった。落胆する娘夫婦を見て、居ても立っても居られないテルマは、詐欺師たちからお金を取り戻すことを決意。旧友のベンを巻き込み、電動スクーターでロサンゼルスの街を駆け巡る、大冒険に出発する。