アメリカ合衆国ミシシッピ州マネーで起きた「エメット・ティル殺害事件」。アフリカ系アメリカ⼈による公⺠権運動を⼤きく前進させるきっかけとなったこの事件は、60年以上の時を経て、2022年3月29日にジョー・バイデン大統領が署名し、人種差別によるリンチ行為を連邦法で憎悪犯罪（ヘイトクライム）と定義した「エメット・ティル・反リンチ法」成立へと繋がっていく。息子を愛する一人の母親の愛と正義の行動がアメリカ社会に変革をもたらした実際の出来事に基づく本作は、製作に世界的な⼈気を誇るウーピー・ゴールドバーグや「007」シリーズのスタッフらが名を連ね、各国の映画祭で86部⾨にノミネート、21部⾨で受賞と話題を集めた。なかでも、主⼈公メイミー・ティルを演じたダニエル・デッドワイラーは、ゴッサム・インディペンデント映画賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、サテライト賞など、数々の映画賞で⼥優賞に輝いた。

アメリカ合衆国ミシシッピ州マネーで14歳の黒人少年エメット・ティルが、⽩⼈⼥性に対して「⼝笛を吹いた」という理由で白人集団に拉致され、激しいリンチを受けて殺されたあげく、遺体が川に投げ捨てられるという事件が起きる。我が息⼦の変わり果てた姿と対⾯した母親のメイミーは、この陰惨な事件を世に知らしめるため、常識では考えられないある⼤胆な⾏動を起こす。そんな彼⼥の姿は多くの黒人たちに勇気を与え、⼀⼤センセーションとなって社会を動かす原動⼒となっていく。

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