監督は、「いつかのふたり」（2019年）に続いて長編映画2作目となる長尾元。言葉が失われたはるか遠い時代、荒廃した世界で生きる女を描き、セリフなし、モノクロ撮影という異色作。主演は、「菊とギロチン」（18年）や「岬の兄弟」（18年）、「やまぶき」（22年）の和田光沙。女の仕掛けた罠にかかる若い男を「かかってこいよ世界」（23年）の飛葉大樹が演じる。

廃墟のような建物に住み、言葉のない世界で原始的な生活を送る一人の女（和田光沙）。女は狩猟で蓄えた食料を行商人（寺田農）と物々交換したり、体と食料を目当てに山賊（仁科貴）に襲われたりするが、たくましく生きている。ある日、女の仕掛けた罠に一人の若い男（飛葉大樹）がかかる。女は彼を家に連れて行き、共同生活を始めるが、次第に人間の欲望の姿が明らかになっていく。暴力・セックス・食欲…。そして、世界は崩壊に向かって動き始める。

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