息子をNBAで活躍するプロバスケ選手にするというドリームを黒魔術で叶えようとする母親の愛と、運命に翻弄された息子の物語。監督は、ロッテルダム国際映画祭Bright Future部門選出、トロント国際映画祭New Waves Program部門（2012年）、CCP短編映画祭でBest Experimental Film（2011年）受賞など、フィリピン・ニュー・ウェーブ期待の新人作家ティミー・ハーン。

ピナツボ火山の大噴火を自分たちの手で起こしたと信じるカルト集団。 彼らの黒魔術に導かれ命を日本車ギャランに捧げた狂信的な母カルメンは、アメリカ人男性との間に生まれた赤ん坊に〝プロのバスケ選手となりNBAで活躍する〟という運命を授ける。スーパースターから借りて「マイケル・ジョーダン・ウリリ」と名付けられた赤ん坊は逞しく成長。伝説の23番を背負ったウリリは、恋人との肉欲とバスケ賭博に明け暮れる青春を過ごしていた。そんな中、NBA行きのチャンスが目の前にぶら下がるも、悪夢の様な出来事が次々とウリリの前に立ちはだかり、倒錯した大人たちが集うフィリピン・アンダーグラウンドへと踏み込んでゆく。ウリリに残されたものは、もはやカルメンの化身となった日本車ギャランΣのみ。果たして彼はバスケの神様に祝福 された子どもだったのか…。