監督・脚本は、マダガスカルの音楽に魅せられ、旅と音楽をテーマに、ドキュメンタリーとドラマを融合させるスタイルで「ギターマダガスカル」を撮った亀井岳。本作は、前作撮影時に偶然出会った遺骨を入れた箱を長距離に渡って徒歩で運ぶ人々のことが忘れられず、2作目に続いてマダガスカルを舞台に撮影した。音楽によってラザナ(祖先)と交わってきたマダガスカルの死生観を背景に、家族を失った人がその悲しみを乗り越えていく姿を描く。全編マダガスカルロケで、マダガスカル人のキャストのみで製作した。
舞台はマダガスカル南東部。この地では、亡くなった故人の故郷の村人がその遺骨を生まれ育った場所に持ち帰らなくてはいけない。タンテリとザカ、スル、そして離れ小屋の親父の4人は、出稼ぎ先で亡くなったタンテリの姉・ニリナの遺骨を取りに行き、ルールを守って持ち帰るよう命を受け、それぞれ楽器を手に片道2、3日かかる村へ旅に出る。4人は途中、出稼ぎに行ったまま行方知れずの家族の消息を求めて旅するルカンガ(バイオリンのような弦楽器)の名手・レマニンジに遭遇。4人は、無事ニリナの遺骨を故郷に持ち帰り、ニリナは〝祖先〟となれるのか。レマニンジは、家族を見つけ、長い旅を終えられるのだろうか。
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公開日: 2024年08月02日
ヴァタ~箱あるいは体~
監督 :
出演 :
脚本 :
音楽 :
撮影 :
編集 :
2021年 /日本、マダガスカル /85分
配給 :
公式サイト: https://vata-movie.com/
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