2004年「第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクール」に優勝、2009年に弱冠28歳で名門ロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督に就任。たちまちクラシック界で注目を集めると共に、「TIME」誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」にも選出されたベネズエラの若き天才指揮者グスターボ・ドゥダメルの挑戦を追うドキュメンタリー。2016年にはコールドプレイ、ビヨンセ、ブルーノ・マーズと共にスーパーボウルのハーフタイムショウに出演するなど、ジャンルの枠を超えてスターへの階段を駆け上がっていた彼だったが、本作の撮影中に予想外の事態が起きる。2017年、ベネズエラの反政府デモに参加した未来ある若き音楽家が殺害された事態を受け、ドゥダメルは現マドゥロ政権への訴えをNYタイムズ紙に展開。大統領府と対立したことで、ツアーは中止にさせられ、母国に足を踏み入れることも禁じられ、ベネズエラ国内の批判的な世論にもさらされることになる。しかし、ドゥダメルは祖国の若者たちと交わした約束を胸に、恩師マエストロ・ホセ・アントニオ・アブレウの遺志を未来へと受け継ぐ使命を果たすべく、世界各地でタクトを振り続ける。

本作中では、オーケストラのリハーサル風景やコンサート演奏も多数収録。「DUNE/デューン 砂の惑星」（21年）でアカデミー賞音響賞を受賞のほか幾多の受賞歴を誇るロン・バートレットがミキサーを務めるオーケストラサウンドで、ベートーベン「交響曲第5番」「交響曲第９番」、プロコフィエフ「ロミオとジュリエット」、ドヴォルザーク「新世界」、アルトゥーロ・マルケス「ダンソン第２番」「ダンソン第9番」、チャイコフスキー「交響曲第4番」ほかを楽しむことができる。

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