1973年に英国カーネギー賞とガーディアン賞をダブル受賞したリチャード・アダムスによる児童文学を原作に、1978年にイギリスで映画化されたアニメーション作品。日本では1980年7月に夏休み映画として公開された。児童文学が原作のアニメーション作品でありながら、野うさぎたちに待ち受ける苦難と残酷な現実、人間たちによる乱開発により滅びゆく野生動物、外敵との血生臭い闘いなどが容赦なく描かれる。

日本公開時は吹替え版のみの上映だったので、HDリマスター版は、オリジナル音声（日本語字幕）での初めての上映となる。

英国ハンプシャー州サンドルフォードの繁殖地に住むウサギたち。ある日、予知能力をもったウサギのファイバーが、この地に迫る災難を予言する。彼の〝能力〟を認めている兄・ヘイズルは、村長に避難を提案するがとりあってもらえない。そこで、上士頭ビグウィグの助けを借りて何羽かのウサギたちと村を脱出する。人間たちに「喰われるためだけ」の養兎場、将軍による「軍国主義的な統制」を敷く繁殖地…、理想郷を探す彼らの旅の前に立ちふさがるのは予想もしない世界だった。

日本初公開：1980年7月12日