インド北部のウッタル・プラデーシュ州を舞台に、カーストの最下層のダリト（ダリット）に属する女性たちが立ち上げ、週刊の新聞からSNS とYouTube での発信を主とするデジタルメディアへと移行した新聞社「カバル・ラハリヤ」（〝ニュースの波〟という意味）の挑戦を追ったドキュメンタリー。

ウッタル・プラデーシュ州はインドで最も人口が多く、汚職や女性に対する暴力、社会的少数者への抑圧などが横行しているにもかかわらず、同州の多くの地域がメディアにとって闇のままだという問題を抱えていた。「カバル・ラハリヤ」主任記者である32歳のミーラは残忍なレイプ事件を取材しており、ウッタル・プラデーシュ州に蔓延する暴力、そしてダリト女性であることの難しさが浮き彫りになる。違法鉱山で児童労働者として働いて育った 20 歳のスニータは、この地域で高い収益を上げる違法鉱山事業と、「採掘マフィア」と政治家の腐敗した関係を取材する。衝動的だが鋭く、大胆で影響力があるスニータを「カバル・ラハリヤ」の有能な次期リーダーに磨き上げようと苦労するミーラ。さらに、ミーラは危険を冒しながらもインドの道徳的および社会的構造の変化、その影響を報じる長編記事に取り組む。彼女たちの挑戦は、伝統的な社会の価値観を変えることができるのだろうか。果たして、「カバル・ラハリヤ」は、何百万もの人々の生活に影響を与える独立系ジャーナリズムの意味を再定義することができるだろうか。

©️Black Ticket Films