積水ハウス事件を取材した事件記者が見た「地面師たち」のリアル
「地面師とは、他人の土地の所有者になりすまして売却を持ちかけ、偽造書類を使って多額の金をだまし取る不動産詐欺を行う集団のことである」。Netflixで配信中のドラマシリーズ「地面師たち」各回の冒頭で流れるナレーションの一節だ。私は2018年4月から20年3月、社会部で警視庁詰めの記者として、詐欺や汚職などの経済事件を取材した。当時、最も話題となったのは、大手住宅メーカー「積水ハウス」が55億円をだまし取られた地面師事件だった。犯行グループのメンバーの逮捕やその後の公判などを追っていた。ドラマは新庄耕の小説「地面師たち」(集英社)が原作だが、随所に積水ハウス事件を感じさせた。 20...
佐久間一輝
2024.8.24