「山女」
18世紀後半、冷害で苦しむ東北の村。17歳の凜(山田杏奈)の一家は先々代が起こした火災の責任を負い、村人からさげすまれ、差別されて生きてきた。ある日、凜の父伊兵衛(永瀬正敏)が村の蔵から米を盗む。凜は犯人を捜す村人の前でとっさに父をかばい、自ら村を去る。凜は足を踏み入れてはならないとされる山奥の森に向かう。そこで出会ったのは山男(森山未來)だった。 遠野物語の民話に着想を得た福永壮志監督と長田育恵のオリジナル脚本は、簡潔で歯切れがいい。村社会の風習と閉鎖性、身分や性差別の中で、一人の女性が自然を受け入れ生き抜く姿を描いた。強い意志を持って変貌していく凜を、山田がたたずまいと瞳の強さで体現。森...